コットン畑求めて3300里(第16カ国目:ジンバブエ)
一日目
長―――――――いフライトを終え、ついに辿りつきました!!ジンバブエ!
イスタンブールからドバイでトランジット(乗継ぎ)更にザンビアのルサカを経由して辿り着きました。もうお尻がパンパンです。
着陸時間は夕方の6時。日も落ちかかり、アフリカで夜一人にされるのは危険すぎると焦っている僕を横目にめちゃくちゃマイペースでトロトロ動くイミグレーションスタッフ。効率の問題でもなく、ただマイペースに隣の従業員と談笑しながら作業を進めていっているだけの模様。
やっとのことでゲートを抜けたときには既に7時を過ぎ、日は落ちていました。 外に出るのも怖いので空港泊をすることに。
しかし、空港泊をさせてくださいと言っても中々許してくれない警備員。路頭に迷っているところ職員の方に助けてもらいました。「俺が乗せていってやるから乗れよ」と。本来ならタクシーに乗るところですが、タクシーすら信用していないアフリカ初心者の僕からすれば空港のオフィシャル職員の方が何倍も安心でした。
しっかりとお金を払い乗車。仕事にはしっかり対価が発生するのです。タダなんて甘い考えじゃいけない。。
やっとのことで着いた宿は想像していたアフリカよりもずっと綺麗な宿で一安心。お湯も出る、キッチンもある、そして大量の蚊も住み着いている、、、、、。
蚊帳なんてある訳も無く、頼れるのは分厚い毛布とパジャマのみ、でも夜の気温は25度。よりによって何故毛布なのか。
暑い思いをして蚊か身体を守るか、快適な思いをして蚊に刺されるか。虫除けスプレーも持ってないため仕方なく前者を選択。もはやサウナとも言えるベッドに汗びっちょりになりながら寝ました。
二日目
今日はミッション遂行のために街を散策する日。
宿自体が都市から近い場所にあったため、徒歩で目的地まで向かってみます。道中にはアフリカを感じるサファリ的な光景が…
あるわけでもなく、東南アジアの発展途上国のような風景が広がっていました。本当に違うのは人種くらい。歩いているのはほとんどが黒人。たまにいるアジア人はビジネス目的の中国人でした。そのため歩いているだけで子供から「ニーハオ、ニーハオ」とちょっかい出されます。
別に悪いことをしたわけでも、パスポートを無くしたわけでもなく、あることを尋ねたかったのです。
“ジンバブエのコットン農家の場所”僕はその情報を得ることを一つの目的として遥々ジンバブエまでやってきました。
以前のバングラディッシュ編でも書きましたが、この海外旅行の目的の一つは服が作られている過程を実際に見る。でした。そこで今回目をつけたのは服の原材料”コットン(綿)”です。おそらく皆さんが今着ている服のいずれかには綿で作られた物があると思います。
実はジンバブエはコットンの一大生産地として有名らしく、実際に見てみようと思いルートとしてこの国を選びました。
そして、大使館にいる方ならコットン畑の一つや二つ知ってるだろうと目論んでやってきたわけです。
日本大使館はハラレの中でも有数のオフィスタワーに位置しており、緊張しながら窓口へと足を運びました。
中で出迎えてくれたのは高知県出身の警察官の方。海外の大使館で働く日本人が普通の警察官ということにビックリ。また、僕の本籍が高知ということで話も盛り上がりいよいよ質問。
僕「ジンバブエのコットン畑の場所を教えていただけないでしょうか?」
大使館の方「今はもう無いよ」
僕「え、コットン畑はあるという話をネットでも見ましたし、現地の人もコットン産業はこの国でも主要な産業の一つだとおっしゃっていたのですが…」
大使館の方「私も最初はそう聞いていて、休日に奥さんと探しに行ったのだけれどもどこにも無かった。おかしいなと思って同僚に連絡したところ、数年前に起こった経済危機の影響で急に外貨が必要になり、コットン産業より利益率の良いタバコ産業にほとんど移行してしまったんだ。だから今あるのはほとんどがタバコ畑です。」
僕「わかりました……。」
まじか。
想定外の事態に驚き、とりあえず近くの美味しいランチのお店と次の目的地までのバスチケットの予約方法だけ聞いて大使館を出ました。
正直、コットン畑の事前調査はあまり手を入れてやっておらず、行ったら見れるものだとばかり思っていたのですが、爪が甘かった…。それではタバコ農家を、とも考えましたが、既にアフリカを発つ航空券は予約済みでスケジュールはキツキツ。どうしようかと考えながら、オススメされたランチのお店でハヤシライスを食べます。(約200円:お肉ホロホロでめっちゃ美味しい)
結論としては、次の日の早朝に移動することに。タバコ農家を見るよりもやりたいことがあったのでそっちを優先。
コットン畑を見れなかったことのショックよりも、自分に対するがっかりの方が大きかった。社会に出たらこうゆうとこ直してしかないと。
美味しかったハヤシライスを食べ終え、やることも特に無くなったため街を散策。乾いた熱い空気が身体に当たって汗がジワリと出てきます。
どうやらこのOKというスーパーが街でも特に大きなショップらしく、賑わいをみせていました。中は普通のちょっと大きめなスーパーといったところ。中に入ると物価が意外に高くてビックリ(350mlの缶ビールが200円)
実は、ジンバブエでは米ドルが流通しています。理由としては前述の経済危機の影響で自国通貨が廃止されたためです。今は政府が2米ドルと同等の価値を持つ新たな自国紙幣を流通させはじめ、切り替わっている最中。
ドルに伴い物価も急上昇。正直そんなに発展してるとも言いがたいこの国でひもじい生活をしなければならないのかと一人落ち込みました。笑
散策しても特に面白いものは見当たりません。宗教的な建物があるわけでもなければ、観光名所があるわけでもなければ、少しいかがわしい店があるわけでもない。ただ、街の雰囲気は独特で、何か張り詰めた感覚です。
道で露店を営んでいる兄さんもバーで昼から呑んでいるお姉さんも何だか怖かった。
想定外だったのは、銀行のATMに通貨切り替えの影響が出ており市内ほとんどのATMではお金が下ろせず中央にある決まった場所しか利用できなかったこと。結果50ドル下ろすのに2時間も並びました。さすがに不便すぎる!
アフリカに行けば壮大な自然と陽な黒人、そしてコットン畑に会えると思っていた僕は少し残念さ感じ宿に帰宅。
帰宅後にベッドでゆっくりしていると、隣のベッドから男性が声をかけてきました。
彼は国南部のブラワヨという都市出身の24歳。働き口を求めてこの街に来たようで、無事就活は終わり明日地元に戻るとおっしゃっていました。
彼はサッカーが好きらしく、僕にもその魅力をアピールしてきました。彼の1番気に入っているポイントは"人種差別が無いこと"らしく、白人、黒人、黄色人などが皆平等になり戦うその姿が彼の目指している理想の社会するからとのこと。
サッカーをプレイするために必要な道具がボールのみだから。というのが自分なりのサッカー人気の理由だったけど、そんな理由もあるのかと深く納得。フィリピンに留学してた時に出あったサウジアラビア人もパレスチナ人もサッカー大好きだった要因はそこだったのかもしれない。
目的のものは無くともこのように現地の人と喋って気付くことがあったなら、この国に来た意味は十分あったと思う。もっとコミュニケーション取っていかなきゃ。
三日目
今日は早朝からバスに乗り、まずはブラワヨへ。そこから夜行列車でヴィクトリアフォールズへと向かいます。そこはヴィクトリアの滝のある街です。
移動時間24時間!気合だぜ!
続く
家計簿